【嫌われる勇気】行動する勇気【レビュー】
Amazonで「嫌われる勇気」を読了したので、レビューします。
(っていうかアウトプット。)
感想は、とても面白かったです。
当たり前の人にとっては当たり前かもしれませんが、生きづらさを感じている人にとっては価値あるものだと思います。
書籍では、青年と哲人の会話を通して、アドラー心理学を紐解いていくという形を取りますが、青年の気持ちが痛いほどわかるんですよね。
とても読みやすかったです。
この書籍からわかったことを一言でいうなら、
アドラー心理学は行動するための心理学
ということでしょう。
自分が変わるための心理学。
アドラー心理学を採用することで、生きやすくなります。
書内では、勇気の心理学、とも呼ばれています。
要約すると、
自分の価値観で目的を持って生きると、すごい楽になるよ。
嫌われるけどね。
と言えます。
以下、そのための方法を、いくつかキーワード追って見ていきましょう。
目的論
一般人は、行動しないには理由がある、と考えます。
ですが、アドラー心理学では、行動しないことによって、達成する目的がある。とされます。
過去志向か未来志向か、です。
例
赤面症を持っている限り、彼女は「私が彼とお付き合いできないのは、この赤面症があるからだ」と考えることが出来ます。告白の勇気を振り絞らずに済むし、たとえ振られようと自分を自分を何得させることが出来る。そして最終的には「もしも赤面症がなおったら私だって・・・・」と、可能性の中に生きることが出来るのです。
「私は学歴が低いから、成功が出来ない」と考える。あるいは「わたしは器量が悪いから、結婚できない」と考える。このように日常生活の中で「AであるからBできない」と論理を振りかざすのは、(中略)劣等コンプレックスです。
本来なんの因果官益もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し、納得させてしまう。
行動をしないために、何かと理由をつけて、言いわけをするのです。
単純に、一歩踏み出すのが怖い、現実的な努力をしたくない。
今の楽しみを犠牲にしてまで変わりたくない。
今のままでいる方が楽だから、行動しない、ということになります。
これは本当に自分に当てはまりました。
学歴がないから、能力がないから、自分には何もできないだろうと行動すらしませんでした。(そもそも元気がありませんでしたから。)
全ての悩みは対人関係
行動がどう評価されるか、価値がどう与えられるかなんて相対的なものです。
「背が高いと良い」
「学歴が高いと良い」
なんて誰が決めたんですか?
それは、世間の誰か、あるいは世で言われてる常識つまり
世間の多数派が採用した価値観考え方=合意、コンセンサス
です。
それと比べるから、苦しいし、生きづらい、とアドラー心理学では考えられます。
人の価値観を採用してしまうから、すごい苦しい、生きづらい。
特に、就職活動で自己分析した方がいいのは価値観を洗い出すためでしょう。
好きなことや得意なことのほかに、自分の価値観とあっているか。
自分が心から大切だと思っていることが、業務レベルで落とし込まれているなら、それを苦もなく望んでやるでしょう。
価値観とそぐわなければ、やってて苦でしかないので、非常にエネルギーを使います。
それの評価基準が自分の体質と合っているか、が重要です。
働きやすさやパフォーマンスと繋がり、それが評価されることでモチベーションにも繋がるわけですから。
課題の分離
アドラー心理学では、人を変えることは出来ません。この心理学に限ったことではないですが。
もし他人が変わったとするなら、それはその方の努力です。
もちろん、その方が変わりやすい環境というのは作ることが出来ます。
書籍でも
アドラー心理学とは他者を変える心理学ではなく、自分が変わるための心理学です。
とあるように、他人が出来ること、自分が出来ること、で分けます。
判断材料としては、
それは誰の問題なのか、最終的のその結果を一挙に引き受ける責任があるのは誰か。
です。
たとえどんなに無能な部下を育てないといけなくて、出来なかったとしても、ちゃんと自分のタスクを洗い出し、それを行なっていれば、評価はされるでしょう。もしそうでないなら考え直した方がいいです。評価方法が間違っているか、達成目標とプロセスが間違っているからです。
書籍内では、引きこもりの話がかなり出てきます。
その中では、課題の分離が出来ていないことが言われています。
まぁ探せばいっぱいあるので、興味があると観てみると良いです。
僕はこの箇所を読みながら、昔見たドキュメンタリーのことを考えました。
親が子供に切れているシーンがいますが、常識とかを押し付けたり分離が出来ていないことがわかります。
自立支援を受けながら、本人が行動出来るようになり自立する、というのはアドラー心理学的には解決方法と合致しているように思えます。人が人を変えれない、本人が変わるしかないという点です。
また引きこもる理由としても、強い理想(承認欲求)を作り出してしまうことです。
がしかし、そういった根深い闇のところまでは、この本では答えを導いてくれないかもしれないですね。思考が必要です。
承認欲求を否定する。
課題を分離することで、それは誰の問題なのか?を考えることで、何がいいのでしょうか。
自分がやるべきことか否か、分けることがなんで自分の価値観につながるのでしょうか。
それは自分の人生を生きることに繋がるから、です。
課題の分離の効果は二つあります。
ひとつは、他者の問題に介入しないこと。
他者の課題に介入することは、それは自分の価値観の押し付けです。
もう一つは、他者に自分の課題へ介入させないこと、です。
他者に好かれようとしたり、他者の期待に応えようとする。
アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します。
なぜなら、自分は他者の期待を満たすために生きておらず、そして他人も私たちの期待を満たすために生きていないから、です。
そうやって生きるのは、承認欲求を満たし、「自分には価値がある人間だ」と思うためです。
しかし、他人は満たせても、自分は満たされません。
自分の価値観と、相手の期待すること(価値観)がすり合っていたら、すごい楽になる。
でも合わないのが普通です。
そこを恐れずに生きていくことが必要だと、説かれています。
自分で決める
他人に決めてもらうのはすごい楽です。
常識とかレールに乗っかるのはすごい楽だからです。
承認欲求を満たすために、わざと外れる人がいますが、それは多分レールを乗ってる人と根本は変わらないです。承認欲求を満たしたいだけだから。
レールから外れてしまう人は、否応無く外れてしまう。
自分の価値観で生きていたら、否応無く外れるからです。
それとこれとは大違いです。
そして、自分の価値観で生きていると、嫌われるでしょう。
だって他者の期待なんか満たそうとしないんだから。
「自由とは、他者から嫌われることである。」
あなたが誰かに嫌われているということ。
それはあながが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるしなのです。
ということです。
そして、自分の価値観で生きるのは、困難です。
だって、今までなかった人にしたら、自分で考えないといけないからです。
自分と会話し、内省し、自己を構築する必要があります。
心の声は移ろいやすく、捉えどころのないものなので、根気よく向き合う必要があります。
自分探しとありますが、行動は必要になるでしょう。
承認欲求がない中どうするか
アドラー心理学では、そもそも人間の存在自体に価値があるとします。
行為ではなく、存在自体に価値があります。
貢献とよびますが、存在レベルで貢献している、ということですね。
共同体感覚、多層のレイヤーで考えること。マクロで考えていくとそうなります。というのが自分の理解ですがあってるでしょうか?
共同体感覚、他者貢献の話は、アドラー心理学における幸福の話に繋がります。
がしかし、あまり理解できていないので端折ります。
要するに、「行為」レベルで価値評価してしまうと、それは承認欲求を通じているから自由がない。
ほめることと縦の関係を書籍では説明されていますが、割愛します。
意識の上で対等であり、主張すべきは堂々と主張できる、横の関係が大切だと述べられています。
自己肯定と自己受容
自己肯定は、優越性に繋がり、承認欲求に発展する可能性があります。
そうではなく、「肯定的な諦め」という言葉が使われています。
「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めるのが自己受容です。
現状を受け止める勇気です。
われわれはなにかの能力が足りないのではありません。
ただ”勇気”が足りていない。
全ては”勇気”の問題なのです。
無意味な人生に「意味」を与えよ
「一般的な人生の意味はない」とアドラーは答えています。
人生には、一般論として語れるような意味は存在しない、とされます。
そして、「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」とアドラーは続けています。
他者貢献さえ見失わなければ、迷うことはないし、何をしてもいい。
嫌われる人には嫌われ、自由に生きて構わない。
今ここにフォーカスをして生きていこう、とされているのが、禅的で何かがつながったような気がしました。
まとめ
人生に意味を与えるのは、過去志向で、原因論や因果律から抜け出せてないからです。そういうことをするのは老いぶれて耄碌してからでも遅くはないでしょう。
なので、目的を持ちましょう。
未来志向になりましょう。
というのが、僕がこの本を読んで得たメッセージですね。
ダイゴの動画にも目的が多い人の方が年収高いと言ってますし。
なかなかの駆け足になりましたが、どうだったでしょうか。
心理学は、採用するかどうかは人にもよりますし、あくまで考え方・生き方です。
使うも八卦。
引きこもりに関しては、僕も他人事とは思えませんでした。
青年は恐怖に関して受け入れることが出来ました。
勇気と強さがありました。
一方でなぜ、それが出来ない人がいるのか。その基盤はどこから来るのか。
それについては今後考えていきたいと思います。
2件のコメント
【レビュー&考察】マインドセット【ビルゲイツ絶賛】 – ひとりで考えるのは疲れた · 2018年12月31日 12:47 AM
[…] 【嫌われる勇気】行動する勇気【レビュー】 […]
対戦ゲームで成長するための3つの魔法の言葉 – ひとりで考えるのは疲れた · 2019年4月27日 10:27 PM
[…] だったら言ってもいいかもしれませんが、そうでなければ介入すべきではありません。嫌われる勇気でもある通り、他者の課題より自分の課題に専念すべきなのです。もちろん、ひとに […]